📘 第1章 第2回 TDMAとスロット、トークグループの仕組み
⚡ TDMAとスロット・TG、DMRの「分ける力」
~「1波2通話」ってどういうこと? 会話を”分ける”DMRのチカラ~
🗣 はじめに
「1つの周波数で2通話できる」というDMRの核心技術、TDMAとスロット、そしてトークグループ(TG)の仕組みを、この回でじっくり解説します!
🔴 1つの周波数で、2通話できる!?
アナログ無線では、ひとつの周波数で話せるのは1人だけ。
複数人が同時に送信すると、混信してしまいます。
でも、DMRは違います!
同じ周波数で、2通話を行えるんです!
この仕組みを支えているのが、次の3つのキーワードです。
キーワード3つ!
- TDMA(時分割多元接続)
- スロット(Slot)
- トークグループ(TG)
これらが連動して、DMR特有の「空間と時間の整理整頓」を実現しています。
⚡ TDMAってなに?
TDMA = Time Division Multiple Access(時分割多元接続)
「1つの周波数を、時間で細かく区切って交互に使う」技術です。
具体的には、約30msの1フレームを「Slot 1」と「Slot 2」の2つに分割して送信しています。AさんとBさんの通話が高速で交互に送受信されるため、実際には”同時に話しているように”感じます。
TDMAの時間分割イメージ
| 時間スロット | Slot 1 | Slot 2 | Slot 1 | Slot 2 | Slot 1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 通話内容 | Aさんの通話 | Bさんの通話 | Aさんの通話 | Bさんの通話 | Aさんの通話 |
片側1車線の道路でも、時間を区切って交互に2台の車を通すことで、2台分の利用が可能になるイメージです。
🛤️ スロット(Slot)ってなに?
DMRの無線機やレピータでは、1つの周波数が「2つのスロット(Slot)」に分かれて使われています。
| スロット | よく使う場面 |
|---|---|
| Slot 1 | レピータや広域ネットワーク通話 |
| Slot 2 | ホットスポットやローカル通信 |
同じ周波数でも、スロットが違えば混信しません!それぞれ独立した”通話レーン”として働きます。
📋 トークグループ(TG)ってなに?
トークグループ(Talk Group)とは、通話先を分けるための”番号によるグループ分け”のことです。ラジオのチャンネル番号や、チャットグループのIDのようなものです。
よく使うTG例(BrandMeisterネットワーク)
| TG番号 | 通話内容 |
|---|---|
| TG91 | 世界共通。英語での交信が中心 |
| TG1 | ローカル通話用。デジピーターやホットスポット単体での近距離交信に使われることが多い |
| TG6 | ホットスポット通話用。個人運用のホットスポットからの通信でよく使われる |
| TG9 | 拠点内の短距離通話・テスト用途 |
※ TG番号の意味はネットワークごとに異なります。TGIFやXLXでは別の番号体系が使われます。詳しくは第3回をご参照ください。
TGはチャンネル番号のようなもの!
“どこに向けて話すか”を、番号で指定するシステムです。
🎯 スロット×TGで「通話空間」をコントロール!
DMRでは、スロットとトークグループの組み合わせで通話先を指定します。
- Slot 2 / TG6 → 自宅ホットスポットでのローカル交信
- Slot 1 / TG91 → インターネット経由で世界中に中継!
スロットで”通話の通り道”を決めて、トークグループで”通話相手の部屋”を選ぶようなイメージです!
✅ まとめ:DMRの「分ける力」で効率的な交信!
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| TDMA | 約30msのフレームを2分割し、2通話を実現する技術 |
| スロット | 1周波数を「Slot 1」と「Slot 2」に分割した通話レーン |
| TG(トークグループ) | 番号で通話先を切り替える「話し相手の部屋」 |
📡 DMRは、1本の周波数に「2通話 × 無数の通話グループ」を乗せられる、超効率的な無線通信方式です!


▶ 次回予告
次回は「📡 DMRの通信構成(RF視点)」を解説します!
あなたの声がどこを通って相手に届くのか、電波の視点でやさしく解説しますよ!
📝 執筆:JI2TAB(尾張旭DMRデジピーター 管理人)
🏢 JJ2YYK あいちデジタルコミュニケーションハムクラブ