📘 第1章 第3回 DMRの通信構成(RF視点)
📡 DMRの通信構成(RF視点)
~ あなたの声はどこを通って相手に届くの? ~
🗣 はじめに
DMRは無線(RF)で通信する技術です。でもその電波が、どうやって相手に届いているのか――意外と知らない人も多いのでは?
この回では、レピータやホットスポットが”どう働いているか”を、電波の視点でやさしく解説します!
📡 通信の基本は「無線(電波)」
まず大前提。DMRはUHF帯(主に430MHz)を使う”電波通信”です。
- あなたの無線機 → 430MHzで音声を送信
- 相手の無線機 → 同じ周波数で受信
この基本構造は、アナログ無線と変わりません。でもDMRでは、その通信がさらに「中継されること」で、広がっていきます。
🏢 レピータ:公共の中継局
レピータ(Repeater)は、山の上やビルの屋上などに設置されている中継装置です。
- 受信した音声を別の周波数で再送信(UHF帯では +5MHzオフセットが一般的)。ただし、近年は SFR(Single Frequency Repeater:単一周波数中継)方式のDMRレピータも増えており、送信と受信を同じ周波数で行うものもあります。JJ2YYK尾張旭DMRデジピータもSFR方式で運用しています。
- 多くのユーザーが共通で使う
- インターネットに接続されていることも多く、遠方へ中継される
まさに”みんなの無線基地局”!
🏠 ホットスポット:個人専用の小さな中継局
一方、ホットスポットは自宅などに設置する個人用の中継装置です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構成 | Raspberry Pi + MMDVMボードなど |
| 通信 | 無線機とUHFで通信、インターネット経由でサーバへ |
| 範囲 | 同じ室内〜屋内数部屋程度(出力10mW程度・見通しがあれば数十メートル) |
| 使用例 | 家からTG91で海外と交信など! |
あなたの声を「ネットに中継するゲート」のような役割です。
🔀 通信の流れ(図解イメージ)
無線機(TG6) → ホットスポット → インターネット → 相手のホットスポット/レピータ → 相手の無線機
または、
無線機(TG1) → レピータ → インターネット → 他のレピータ → 相手局
RF(電波)で始まり、必要に応じてネットワークで遠方へ届けられるという構造です!
🎯 TGとスロットで”通話ルート”を切り替える
- TG6 / Slot 2 → 自宅ホットスポット内でのローカル通話
- TG1 / Slot 1 → レピータ経由でのローカル〜エリア内中継
スロットとTGを切り替えることで、”どこへ届くか”を自由に選べるのがDMRの魅力!
※ TG番号の意味はネットワーク(BrandMeister、TGIF、XLXなど)によって異なります。本稿はBrandMeister慣習を例にしています。実運用では、ご利用のネットワーク・デジピータの推奨設定をご確認ください。
✅ まとめ
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| レピータ | 公共的な無線中継局。広範囲に電波を中継 |
| ホットスポット | 個人用の小型中継機。インターネットへつなぐ |
| 通信の流れ | RF → 中継装置 → ネットワーク → 相手局 |
| TG/スロット | 通話の宛先と経路を指定する”無線の住所”のようなもの |
▶ 次回予告
次回は「🌍 DMRの世界と国内の展開」を解説します!
日本ではどんな運用がされているのか?BrandMeister・TGIFなどのネットワークの位置づけも、RF視点でやさしく解説しますよ!


📝 執筆:JI2TAB(尾張旭DMRデジピーター 管理人)
🏢 JJ2YYK あいちデジタルコミュニケーションハムクラブ