📘 第3章 第15回 RF送信・受信の確認
🛰 RF送信・受信の確認
~「ちゃんと電波が出てる?」を自分で確認する方法!~
🗣 はじめに
設定が終わったら、実際に電波が出ているか確認してみましょう。この回では、RF送信・受信のテスト方法と確認手順を解説します!
📡 無線機からの「電波」、出てますか?
DMR無線機の設定が完了しても、「本当に交信できているのかな?」と不安になりますよね。この回では、RF(Radio Frequency)送信・受信の確認方法をわかりやすく紹介します!
✅ チェック①:Parrot Test(通称:Echo Test)
トークグループ TG9990(Parrot) に送信すると、自分の音声がそのまま返ってきます。これができれば、送信→ホットスポット→ネットワーク→受信までの流れが、すべて正常です。
📟 チャネル設定例(Pi-Star / WPSD共通)
無線機のコードプラグで以下のチャネルを準備:
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| RX周波数 | 438.710 MHz |
| TX周波数 | 438.710 MHz |
| カラーコード | CC1 |
| タイムスロット | TS2 |
| トークグループ | TG9990(Parrot) |
| チャネル名 | “Parrot Test” |
🚀 やってみよう!
- Parrot Testチャネル(TG9990)を選択
- PTTを押して「テスト、テスト。こちらJI2TAB」と発声
- PTTを離す
- 数秒後、自分の声が返ってきたら成功!
📌 自分のコールサインを正確に発声する習慣を付けましょう。Parrotは自分の声を録音再生して返してくれるので、発声の練習にもなります。
✅ チェック②:Pi-Star / WPSDのライブログを見る
ダッシュボードの「Live Logs」または「Live Caller」ページを開くと、リアルタイムでログが流れます:
📋 ログ表示例:
M: 2026-05-29 12:34:56.789 DMR Slot 2, received RF voice header from JI2TAB (4401378) to TG 9990
M: 2026-05-29 12:35:01.234 DMR Slot 2, end of voice transmission, 3.5 seconds, BER: 0.2%
これが出ていれば、RF送信がホットスポットに届いていることが確認できます。
📌 BER(Bit Error Rate)の見方:
・0.0% = 完全な信号
・0.1〜0.5% = 良好
・1.0%以上 = 受信品質低下、要調整
✅ チェック③:他局とのQSO(実通信)
🗣 実際の交信(QSO)に挑戦!
Parrot Testの確認後は、実際のトークグループ(TG)で他局と交信してみましょう。
📦 例:日本国内のTGでのQSO(TG44120)
- チャネルを TG44120(日本国内QSO、TS2)に設定
- 周囲の空き状況を確認(後述)
- CQを出す:
「CQ、CQ、こちらJI2TAB
ジェイ・アイ・ツー・タンゴ・アルファ・ブラボー
CQ on TG44120
どなたかお聞きの方いらっしゃいますか?」 - 応答があればQSO開始!
📌 TG44120は日本国内のアマチュア局が集まる主要なTGです。初めての交信なら、まずはこのTGで様子を見るのがおすすめ。
📦 DMRでの「空き確認」のコツ
DMRはアナログFMと違い、TGごとに会話が分離されているため、空き確認の方法も少し違います:
✅ Pi-Star / WPSD ダッシュボードでの確認
- 「Live Caller」または「Last Heard」欄を確認
- 直近の交信履歴を見る
- 数分間誰も送信していなければ、空いている
✅ 無線機側での確認
- TG44120 などのチャネルを選択
- 数十秒〜数分、受信モードで様子を見る
- 静寂 = 空きの可能性
- PTTを短く押す前に、再度ダッシュボードで確認
📌 デジタル通信では、「他局が送信中だと自分の電波が届かない」のは同じ。安易に被せないよう注意。
📝 QSOが成立したら?
✅ デジタル通信のレポート例:
DMRはデジタル音声なので、アナログのRSTレポート(59等)ではなく、以下のような表現が一般的:
- 「明瞭度良好です」「クリアに入感しています」
- 「音切れもなく安定しています」
- 「BERは0.1%です」(数値で報告する場合)
- 問題があれば:「時々音切れがあります」「ロボット声に聞こえます」
📌 アナログFM時代のRST(59、579など)は使わなくても大丈夫。デジタルなので「聞こえる/聞こえない」の二極化が基本です。
✅ QSO記録の活用方法
| サービス | 用途 |
|---|---|
| LoTW(Logbook of The World) | ARRL公式のQSO記録。資格認定(DXCC等)に使える |
| QRZ.com | 世界最大のアマチュア無線家データベース。QSOログ機能あり |
| eQSL | 電子的なQSLカード送受 |
| HAMLOG | 国内のアマチュア向け定番ログソフト |
📌 これらは無料で利用できます。継続して記録すると自分のDMR運用の歴史が残ります。
📡 送信電波そのものを”目で見る”には?
以下のような機器を使えば、RF送信の物理的な確認もできます:
| 機材 | 用途 | 価格帯の目安 |
|---|---|---|
| TinySA / TinySA Ultra | スプリアスや出力の波形確認 | 1〜2万円 |
| NanoVNA | アンテナのSWR測定 | 1万円前後 |
| RTL-SDR | PC上で受信状況をビジュアル化 | 数千円 |
| アンテナアナライザ | アンテナの共振点・SWR | 数万円〜 |
📌 アマチュア無線家の間では、TinySA(携帯型スペクトラムアナライザ)が普及しています。1万円台で買えるので、保証認定資料の作成にも活用できます(第10回参照)。
⚠ 注意:これらの測定器は「あれば便利」ですが、日常運用には不要です。Parrot Testで動作確認が取れれば、運用に支障はありません。
✅ まとめ:送信・受信確認のチェックリスト
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| ① Parrot Test通過 | 通信ルート全体が正常動作 |
| ② ライブログ表示 | 送受信イベントが見える |
| ③ QSO成立 | 実際に他局と通話成功 |
| ④ 明瞭度確認 | 自局の音声品質確認 |
| ⑤ RF機器チェック | (オプション)出力の波形や強度を実測 |
🧠 おまけ:トラブル対処Q&A
| 問題 | 解決方法 |
|---|---|
| Parrot Testが返らない | 周波数/TG/TS設定を再確認/DMR Master接続を確認 |
| ログに出ない | 無線機の送信設定(PTT反応)を確認/カラーコード一致確認 |
| 相手局に声が届かない | ホットスポットのネット接続状態を再確認/無線機の電池残量確認 |
| 音声が途切れる・歪む | BER値を確認(1.0%以上は要対策)/無線機-ホットスポット間の距離を縮める |
| 自分の声がロボット声で返る | 送信側の音声入力レベルを調整/マイクとの距離を変える |
| 応答がなくて寂しい… | 日本国内のアクティブな時間帯(夜20:00〜23:00、休日昼間)を狙う/Telegramのコミュニティで仲間を見つける |

▶ 次回予告
DMRで実際に電波を出して、交信を確認できるようになりました!
次回は「🎙 初めての交信:マナーとルール」を解説します!DMRでの最初の交信に向けて、知っておきたいマナーと基本ルール、フォネティックコード、QSO作法などを丁寧に解説します!
📝 執筆:JI2TAB(尾張旭DMRデジピーター 管理人)
🏢 JJ2YYK あいちデジタルコミュニケーションハムクラブ