📘 第21回 DMRデジピーター構築入門

DMRデジピーター構築入門

~ 自分だけのデジピーターを作ってみよう! ~


はじめに

この章では、いよいよDMRデジピーター(レピータ)の構築に踏み込みます。この回では、構築に必要な基礎知識と機材の概要を解説します!

そもそも「デジピーター」ってなに?

DMRデジピーターとは、デジタル・リピーター(中継局)のこと。
無線機からの信号を受信し、それを中継して再送信
することで、より広範囲への通信を可能にします。

例えるなら「電波の中継塔」みたいな存在!
自宅や地域に設置すれば、山陰・建物裏・車の中でも通信しやすくなります!


必要な構成と機材

ハードウェア構成(例)

機材推奨モデル・説明
SBC(シングルボードコンピュータ)Raspberry Pi Zero 2 W / Pi 3 / Pi 4
モデムボード(MMDVM)STM32_MMDVM_HS_HAT Rev.1.7 など
無線機(デュプレクサ内蔵)1台で送受信する場合は「デュアルポート無線機」
アンテナ外部設置型(GP・八木・ダイポール等)
安定化電源5V/2.5A(Pi用)+無線機用13.8V電源
ケース・冷却装置ファン付きケース推奨(夏場は必須)

ソフトウェア構成

Pi-Star を使った運用が定番!

Pi-Starは、Raspberry Piでデジタル中継局を構築するための定番OS
ブラウザでの設定画面があるため、Linux初心者にも扱いやすいのが特徴です。

plaintextコピーする編集するPi-Star構成図(例)

[ Raspberry Pi ]
 │
 ├── MMDVM_HS_HAT (GPIO直結)
 │
 └── Pi-Star(WebUI操作可能)

Pi-Starによる構築ステップ

Step 1:イメージの書き込み

  • Pi-Star公式サイトから .imgファイルをダウンロード
  • Raspberry Pi Imager などでSDカードに書き込み

Step 2:Wi-Fiとホスト名の初期設定

  • wpa_supplicant.confをSDカードのboot領域に作成
  • ホスト名(例:jj2yyk-dmr)を hostnameに設定

Step 3:初回起動とWebUIアクセス

  • LANまたはWi-Fi接続 → http://pi-star.localでアクセス
  • 初回ログイン:ID pi-star/ PW raspberry

Step 4:モデム設定

  • モデムタイプ:STM32-DVM / MMDVM_HS_Hat (GPIO)
  • UARTポート:/dev/ttyAMA0(Pi Zero 2 Wの場合)
  • TXInvert / RXInvert / バンド幅などはHATの仕様に応じて設定

Step 5:DMR設定

  • DMRモードを有効化
  • DMR ID(例:4401505)を入力
  • ホスト:BrandMeisterTGIFを選択
  • Static TG:TG3020(日本)や TG91(World Wide)など

RF中継方式と注意点

DMRデジピーターには2種類あります:

  1. SIMPLEX中継(単一周波数で送受信を交互に行う)
    → 個人用や小規模設置に適する
  2. DUPLEX中継(送信と受信が別周波数)
    → レピータ局用、連続送受信に対応

注意:技適・免許・保証認定が必要な場合があります!
日本国内で正式に開設するには、総務省への申請とJARDなどの保証手続きが必要です。


こんなときに活躍!

  • 自宅に小型レピータを設置して仲間と通話!
  • イベント時や非常時の一時中継局として活用
  • RFレベルでの音声自動ID送出(「こちらはJJ2YYK…」)

まとめ

  • DMRデジピーターは「個人で構築可能なデジタル中継局」!
  • Raspberry Pi + Pi-Star + MMDVM_HS_HAT が王道構成
  • 日本国内での正式運用には技適&申請が必要
  • 「地域のDMRを支える」第一歩として、ぜひ挑戦してみよう!

次回予告

次回は「 クラウド連携とログの自動化」を解説します!
DMR交信ログをクラウドと連携させて、自動で記録・管理する方法を紹介します!


執筆:JI2TAB(尾張旭DMRデジピーター 管理人)
JJ2YYK あいちデジタルコミュニケーションハムクラブ

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