✅ WPSDの導入手順

🌟 WPSDの導入手順

~ SDカード書き込みから初期セットアップまで、丁寧に解説 ~


🗣 はじめに

この記事では、WPSDをダウンロードしてmicroSDカードに書き込み、初期セットアップを完了するまでの手順を解説します。
OSの比較・機材選択については 第13回:Pi-Star/WPSDの初期導入 を参照ください。


📥 Step 1:OSのダウンロードと書き込み

① OSイメージの取得

WPSDの公式サイトからイメージファイルをダウンロードします:

🔗 https://w0chp.radio/wpsd/

WPSDのダウンロードページには、Raspberry Pi各種・ZumSpot LCD・NanoPi NEO・OrangePi Zeroなど、使用するハードウェアに応じた専用イメージが用意されています。

ハードウェアイメージファイル名(例)
Raspberry Pi Zero 2 W / 3 / 4 / 5WPSD_RPi-Trixie.img.xz
NanoPi NEOWPSD_NanoPiNeo-Bullseye.img.xz

② microSDカードに書き込む

書き込みツール:

  • Raspberry Pi Imager(公式推奨)
  • balenaEtcher(クロスプラットフォーム)

📌 書き込みサイズ:最低8GB以上を推奨

⚠️ 書き込みのコツ:Raspberry Pi Imagerを使う場合、「Advanced options」でユーザー作成等を設定しないでください(pi-starユーザーが既に設定済みのため)

Raspberry Pi Imagerでの書き込み手順

  1. Raspberry Pi Imagerを起動
  2. 「OS選択」→「カスタムイメージを使う」→ダウンロードした WPSD_RPi-Trixie.img を指定
  3. 「ストレージ選択」→ microSDカードを選択
  4. 「WRITE」をクリック → 警告が表示されたら「I UNDERSTAND, ERASE AND WRITE」を選択
  5. 「Write complete!」と表示されたら、microSDカードを安全に取り外す

📶 Step 2:Wi-Fiの初期設定

WPSDなら、初回起動後に自動的にWi-Fiアクセスポイントが立ち上がるので、ファイル設定なしでも開始できます。

【方法A:自動アクセスポイント経由(おすすめ)】

  1. microSDをセットしてRaspberry Piを起動
  2. 約2分待つ(WPSDの起動時間)
  3. スマホやPCのWi-Fi一覧に「WPSD-Setup」が表示
  4. このSSIDに接続(パスワードなし)
  5. ブラウザで http://wpsd.local を開く
  6. ダッシュボードからWi-Fi設定を行う

【方法B:事前にファイルでWi-Fi設定(上級者向け)】

bootパーティションに wpa_supplicant.conf を作成する方法です:

country=JP
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1

network={
  ssid="あなたのSSID"
  psk="WiFiパスワード"
  key_mgmt=WPA-PSK
}

💡 初心者は方法Aがおすすめ。複数台を一括設定するなど、自動化したい場合は方法Bが便利です。


🖥️ Step 3:起動&ログイン

① Raspberry Piに microSD と モデムをセットし、電源投入(約2分ほど待ってから次へ)

② ブラウザでアクセス:http://wpsd.local
(mDNSが使えない場合は、家庭ルーターの管理画面でIPを確認して直接指定)

③ 初期ログイン情報

項目デフォルト値
ユーザー名pi-star
パスワードraspberry

⚠️ セキュリティ上、初回設定後は必ずパスワードを変更してください!

SSH/CLIログイン(上級者向け)

  • ホスト名:wpsd.local
  • ユーザー名:pi-star
  • パスワード:raspberry

💡 初心者の方は、Web画面からの設定だけで運用が完結します。SSH接続は、より細かい設定やトラブルシューティングの際に使います。


⚙️ Step 4:初期セットアップウィザード

① 基本情報の入力

項目内容例(個人運用の場合)
CallsignJI2TAB(あなたの個人コールサイン)
DMR ID4401378(radioid.netで取得した自分のID)
Frequency438.710 MHz(使用したい周波数)
CityOwariasahi, Aichi
CountryJapan
GridPM85ki(運用地のグリッドロケーター)

📌 グリッドロケーターは、QRZ.com等の無料計算サイトで自分の運用地から算出できます。

② モード・モデムの選択

項目設定
ModeDMR を「有効」に
Modem Type使用するモデムを選択(例:MMDVM_HS_Hat)
DMR MasterBM_3801(BrandMeister Japan)または TGIF_Network

⚠️ Modem Typeを誤ると動作しません。お手持ちのモデムのモデル名を正確に選びましょう。

📌 DMR Masterはまず1つに絞りましょう:BrandMeister(BM)とTGIFはそれぞれ独立したネットワークです。BM・TGIFの詳しい設定手順は次回(第14回)で解説します。


✅ Step 5:動作確認

チェック1:Modem Status

  • 「Modem」と書かれた表示が緑色になっているか
  • 赤や黄色の場合は、モデムの接続不良または設定誤り

チェック2:DMR Master接続

  • 「DMR Master」の表示がConnected(接続済み)になっているか
  • 接続失敗の場合は、ネットワーク設定またはDMR ID登録を再確認

チェック3:実機からの送信テスト

  1. DMR無線機を設定した周波数に合わせる
  2. TG9990(Parrot/Echo Test)を選択
  3. PTTを押して「テスト、テスト」と話す
  4. PTTを離す → 約5秒後に自分の声が返ってくる
  5. ダッシュボードに自分のコールサインが表示される

💡 TG9990(Parrot)はネットワーク経由のテストですが、ホットスポット〜BrandMeister間の通信を確認するのに最適です。

もし応答がない場合:

  • 無線機側の設定(TG/TS/CC/周波数)を再確認
  • ダッシュボードのDMR Master接続状態を確認
  • 電波が届く範囲(数メートル以内)に無線機を置く

🆘 よくある初期トラブルと対処法

現象原因・対処
Web画面にアクセスできないWi-Fi未設定/SD書き込み不良/hostnameを直接指定(http://wpsd.local等)
「.local」でアクセスできないmDNSが効かない環境。家庭ルーターでIPを確認して直接指定
モデムが動作しないモデムTypeの選択誤り/GPIO接触不良/ファームウェア不整合
ネットワークに繋がらないDMR ID未登録/DMR Master指定ミス/インターネット未接続
起動するけど信号が出ない周波数設定の誤り/無線機側のTG/TS設定が違う

📝 執筆:JI2TAB(尾張旭DMRデジピーター 管理人)
🏢 JJ2YYK あいちデジタルコミュニケーションハムクラブ

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