海外製DMR無線機を日本国内で使えるようにするJARD保証認定 完全ガイド|申請書の書き方・日数・費用を実例で解説


AliExpressなどで安く手に入る海外製DMR無線機。「技適マークがないけど大丈夫?」と不安になりますよね。結論から言うと、JARDの「基本保証(保証認定)」を通せば、技適なしの海外製DMR機でも、正規の手続きを経て日本国内で開局・運用できます。この記事では、申請の事前準備から、つまずきやすい保証願書の書き方、実際にかかった日数と費用までを、実例で具体的に解説します。

なぜ海外製の無線機は、そのまま日本国内で使えないのか

海外製のDMR無線機は、その国の電波の規格に合わせて作られています。一方、日本国内で電波を出す無線機は、日本の電波法で定められた技術基準を満たしている必要があります。海外で売られている機種が日本の基準を満たしているとは限らないため、「買ったその日からそのまま運用」とはいかないのです。これは無線機が粗悪だという意味ではなく、国ごとに電波のルール(使える周波数や送信の条件)が違うために必要な手続きだと考えてください。

国内無線機の「技適マーク(技術基準適合証明)」とは

日本で売られている無線機の多くには「技適マーク」が付いています。これは「技術基準適合証明」の略で、その無線機が日本の電波法の技術基準を満たしていることを、国(総務省)に登録された機関が証明したという印です。技適マークが付いた無線機は、いわば「日本の基準に合格済み」の状態なので、購入後はそのまま開局申請ができ、面倒な審査を追加で受ける必要がありません。

海外製DMR機には技適マークが無い ―― だから「保証認定」を使う

海外製のDMR無線機には、この技適マークが付いていないことがほとんどです。技適が無いと一見「使えない」と思いがちですが、そうではありません。技適マークの代わりに、JARDなどが「この無線機は日本の技術基準に適合している」と保証してくれる制度=「基本保証(保証認定)」を使えば、正規の手続きを経て日本国内で開局・運用できます。次の章から、その具体的な手順を見ていきましょう。

そもそもJARDの保証認定とは?(30秒でわかる要点)

技適マークのない無線機でも、JARDなどが「技術基準に適合している」と保証する制度が「基本保証(保証認定)」です。海外製DMR機の多くはJARDの「保証可能機器リスト」に載っているため、書類提出のみ(測定不要)で申請できます。制度の詳しい解説は、別記事で詳しくまとめています。

制度の背景や技適との関係をもっと詳しく知りたい方は、第10回 保証認定と技適の実際もあわせてご覧ください。

申請前に必ず確認すべき2つのこと

1. 自分のDMR機が「保証可能機器リスト」に載っているか

まずJARD公式サイトの「保証可能機器リスト」(PDF)で、購入予定・購入済みの機種が掲載されているか確認します。リストに載っていれば測定不要で書類のみの申請になります。リストの機種名表記は、申請時にもそのまま使うので、正式名称を控えておきましょう。技適番号欄の「*(アスタリスク)」は無線機本体に貼付された数字が入ることを意味します。

2. 「送信周波数の誓約書」が必要か確認する

DMR機など、日本のバンドプランを逸脱した送信が技術的に可能な機種は、「送信周波数を日本国内で定められたバンドプランに設定し、その範囲を逸脱しない旨の誓約書」の提出が必須です。様式(Word/PDF)はJARD公式サイトからダウンロードできます。これは技適機の申請には出てこない、DMR特有の書類なので見落とさないようにしましょう。

▼ 送信周波数の誓約書(JARD公式・様式ダウンロード)

保証認定には2タイプある ―― 「登録機」と「未登録機」で手続きが違う

ひとくちに保証認定といっても、申請する無線機がJARDの「保証可能機器リスト」に登録されているか/されていないかで、必要な書類と手間が大きく変わります。ここを最初に押さえておくと、自分がどちらのルートになるのかが分かり、準備がスムーズです。

区分必要な手続き難易度
リストに登録されている機種書類提出のみ(測定不要)。多くの海外製DMR機はこちらやさしい
リストに登録されていない機種機器の技術資料(後述)を自分で用意して添付するやや手間がかかる

登録機(保証可能機器リスト掲載機)の場合

JARDがすでに測定・確認済みの機種なので、こちらは書類を提出するだけで申請できます。スプリアスの測定なども不要です。購入前にJARDの保証可能機器リスト(PDF)を確認し、掲載されている機種を選んでおくのが、いちばんラクで確実な方法です。

未登録機(リストに無い機種)の場合 ―― 必須となる技術資料

リストに載っていない機種を保証認定にかける場合は、その無線機が日本の技術基準を満たしていることを示す技術資料を、自分で用意して添付する必要があります。最低限そろえておきたいのは、次の4点です。

  • ブロックダイアグラム(構成図):送信・受信の信号の流れを示した系統図
  • スプリアス発射の測定結果:スペクトラムアナライザで測定した、不要発射(スプリアス)のデータ・画像
  • 終段管(ファイナル)の型番:送信の最終段に使われている素子(トランジスタ等)の型名
  • 終段管の動作電圧:その終段にかかる電圧の値

これらは「この無線機がどういう構成で、どんな電波を出すのか」を技術的に説明するための資料です。特にスプリアスの測定にはスペクトラムアナライザが必要になるため、測定器を持っていない場合はJARDの有料測定サービスや、一般向けの測定室を利用する方法もあります。手間を避けたいなら、やはり最初からリスト掲載機を選ぶのが賢明です。

実際の申請手順は別記事で(管理人の実例)

ここまでで、なぜ保証認定が必要なのか、登録機・未登録機で手続きがどう変わるのかという全体像を押さえました。実際にJARDの保証願書フォームをどう書くか、提出から免許交付まで何日かかったか、費用はいくらだったか――といった具体的な申請手順は、実例編の別記事にまとめています。あわせてご覧ください。

👉 【実例】海外製DMR無線機のJARD保証認定 申請手順|日数・費用・記入例


📝 執筆:JI2TAB(尾張旭 DMR デジピーター 管理人)
🏛 JJ2YYK あいちデジタルコミュニケーションハムクラブ

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