📘 第3章 第14回 ネットワーク設定と接続確認

🗣 ネットワーク設定と接続確認

~ BrandMeisterやTGIFへつなげて、世界と交信しよう!~


🌐 DMRネットワークって何?

DMR無線機だけでは通信できません。
「BrandMeister」「TGIF」などのDMRネットワークサーバーと接続することで、世界中のユーザーと音声やデータのやりとりが可能になります。

ネットワーク特徴
BrandMeister世界最大規模、国内にも複数ノードあり
TGIF Network北米中心に展開、自由なTG作成が可能

🔧 接続設定のステップ(Pi-Star/WPSD共通)

Step ①:コントロールパネルにログイン

Step ②:Configuration(設定)メニューへ

「Admin」→「Configuration」→「General Configuration」


Step ③:DMR設定項目を入力

項目設定例
DMR MasterBM_Japan_2081(日本)または TGIF_Network
DMR ID4401505(あなたのID)
DMR Hotspot PasswordBrandMeisterポータルで発行したパスワード

※2021年以降、BMはハードcoded passwordを廃止 → 各自で発行・登録必須!

🔗 BrandMeister SelfCare(パスワード発行)


Step ④:保存して再起動

ページ下部の「Apply Changes(変更を適用)」をクリック
→ 数秒でサービス再起動 → ネットワーク接続が試行されます


📈 接続確認方法(3つのチェックポイント)


✅ 1. ステータス画面で確認

「Dashboard」画面にて:

  • DMR Network → 「Connected」と表示されていればOK
  • BrandMeisterサーバー名やIPアドレスが表示されているか確認

✅ 2. Pingチェック

無線機でTG 9990(EchoTest)に送信
→ 数秒後、自分の音声がそのまま返ってくれば双方向通信OK!

📟 設定例:

チャネル名周波数TGTS
Echo Test438.710 MHz99902

✅ 3. ログで確認

「Live Logs」または「DMR Gateway Log」ページを開くと、次のような表示が出ます:

pgsqlコピーする編集するDMR Slot 2, received network voice header from 4401505 to 9990
DMR Slot 2, end of voice transmission

これが出ていれば送受信ともに成功!


📎 TGIF Networkへの切り替え方法

  • 「DMR Master」で TGIF_Network を選択
  • TGIF ID(DMR IDと同じ)とTGIFポータル登録が必要
    🔗 https://tgif.network/

TGIFはカスタムTGの作成や柔軟な運用に向いています。


🧠 補足:ネットワークに繋がらないときは?

問題解決方法
Connectedと表示されないIDやパスワードの入力ミス/ポート遮断
EchoTestに応答がない周波数やスロット設定を再確認/TG9990になっているか
ログに何も出ない無線機が送信していない可能性大(PTT押下未確認)

🧭 実用例:どのネットにいつ繋ぐ?

シーンおすすめネットワーク
国内通話中心BrandMeister(BM_Japan_2081)
海外との自由なQSOBrandMeister + TG91(WorldWide)
仲間内・自由な設定TGIF(自作TGも可)

🎯 まとめ

Echo Testとログで確実に接続確認をしよう!

DMRホットスポットはネットワーク設定で“本番運用”開始!

BrandMeisterではパスワード登録が必須

📘 第3章 第13回 Pi-Star/WPSDの初期設定

2025年5月28日 jj2yyk


📡 Pi-Star/WPSDの初期設定

〜 Raspberry Piで始める!自宅DMRホットスポットの構築 〜


🏠 ホットスポットってなに?

**ホットスポット(Hotspot)**とは、DMR無線機をインターネット経由で世界中のDMR無線局とつなぐための小型ゲートウェイ装置です。

中継局がない場所でも、インターネット環境さえあれば、あなたのDMR無線機から世界中のDMR局と交信できるようになる、まさに**“DMR交信の扉”**を開くための便利な装置です。

📡 通信イメージ:

あなたのDMR無線機  ←───→  MMDVMモデム + Raspberry Pi(ホットスポット)  ←───→  インターネット  ←───→  BrandMeisterなどのDMRネットワーク

🧰 今回使用する構成

DMRホットスポットを構築する基本的な構成は以下の通りです。

項目内容
SBC(小型PC)Raspberry Pi(ラズベリーパイ): 超小型のシングルボードコンピュータです。Pi Zero 2 W / 3B+ / 4 など、Wi-FiとBluetoothが搭載されているモデルが適しています。処理能力が高いほど安定した動作が期待できます。
モデムMMDVM_HS_HATJumboSpotZumSpot など: DMRのデジタル信号とインターネットプロトコルを変換する役割を担います。Raspberry PiのGPIOピンに直接接続するHAT(Hardware Attached on Top)タイプが一般的です。
OSPi-Star または WPSD: ホットスポット専用のオペレーティングシステム(OS)です。Raspberry Pi上で動作し、DMR、D-STAR、Fusionなどのデジタルモードを統合して管理します。<br>• Pi-Star: 歴史が長く安定した人気のOS。<br>• WPSD: Pi-Starの改良版で、より新しい機能や洗練されたUIが特徴。どちらを使っても構いませんが、今回は両者の初期設定に触れていきます。
接続Raspberry PiのGPIOピンにモデムを直結(HATタイプの場合)またはUSB接続(一部モデム)。

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🔽 Step 1:OSのダウンロードとmicroSDカードへの書き込み

ホットスポットOSをRaspberry Piにインストールするための最初のステップです。

手順内容
① OSイメージの取得Pi-Star公式サイトから最新版のイメージファイルをダウンロードします。<br>• WPSD公式サイト(GitHub)から最新版のイメージファイルをダウンロードします。<br>• 【選択のポイント】 初めての方はPi-Starが情報も多く、トラブルシューティングしやすいかもしれません。より新しい機能やデザインを求める場合はWPSDも良い選択です。
② microSDカードに書き込む書き込みツール: 「Raspberry Pi Imager」または「balenaEtcher」といったツールを使用します。これらのツールを使えば、ダウンロードしたイメージファイルを簡単にmicroSDカードに書き込めます。<br>• microSDカードのサイズ: 最低8GB以上を推奨します。書き込み速度の速い(Class 10以上、UHS-I対応など)カードを選ぶと、OSの起動や動作がスムーズになります。<br>• 書き込みが完了すると、PCでmicroSDカードのルートに「boot」という名前のパーティションが見えるようになります。

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📶 Step 2:Wi-Fiとホスト名の事前設定(初回起動前)

Raspberry PiをWi-Fiネットワークに接続し、ホットスポットのアクセス名(ホスト名)を設定します。これは、Raspberry Piを初めて起動する前に、PCでmicroSDカードの「boot」パーティションに直接ファイルを作成して行います。

  1. wpa_supplicant.conf(Wi-Fi設定ファイル)の作成bootパーティションの直下に、wpa_supplicant.confという名前で以下の内容のファイルを作成します。 【ファイル内容】 Ini, TOMLcountry=JP ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev update_config=1 network={ ssid="あなたのWi-Fi SSID" psk="あなたのWi-Fiパスワード" key_mgmt=WPA-PSK }
    • "あなたのWi-Fi SSID""あなたのWi-Fiパスワード"の部分は、ご自宅のWi-Fiルーターの情報を正確に入力してください。
    • 解説: このファイルは、Raspberry Piが起動時に自動的にWi-Fiネットワークに接続するために必要な情報を含んでいます。ssidにはご自宅のWi-Fiのネットワーク名、pskにはそのパスワードを設定します。country=JPは日本での電波利用に必要な設定です。
  2. hostname(ホスト名設定ファイル)の作成bootパーティションの直下に、hostnameという名前で以下の内容のファイルを作成します。 【ファイル内容】pistar
    • pistarの部分は、WPSDを使う場合はwpsdに、または任意の分かりやすい名前に変更できます。
    • 解説: このホスト名が、後でブラウザからホットスポットの管理画面にアクセスする際のアドレス(例: http://pistar.local)になります。複数のホットスポットを運用する場合など、分かりやすい名前にしておくと便利です。


🚀 Step 3:ホットスポットの起動&Webブラウザからのログイン

事前設定が終わったら、いよいよホットスポットを起動し、ウェブブラウザからアクセスします。

  1. Raspberry PiにmicroSDカードとモデムをセットし、電源投入
    • モデムが正しくGPIOピンに挿入されていることを確認してください。
    • 電源を投入後、OSが起動し、Wi-Fiに接続されるまで5分〜10分ほど待つ必要があります。
  2. Webブラウザでアクセス
    • PCやスマートフォンのWebブラウザを開き、以下のURLにアクセスします。
      • Pi-Starの場合: http://pistar.local
      • WPSDの場合: http://wpsd.local
    • もしホスト名でアクセスできない場合は、ご家庭のルーターの管理画面でRaspberry Piに割り当てられたIPアドレスを確認し、そのIPアドレスでアクセスすることもできます(例:http://192.168.1.100)。
  3. 初期ログイン情報
    • Web管理画面が表示されたら、以下の初期ユーザー名とパスワードでログインします。
項目
ユーザー名pi-star
パスワードraspberry

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* **【重要】** 初回ログイン後、セキュリティのため必ずこれらの初期パスワードを変更してください。

⚙ Step 4:初期セットアップウィザードの実行

ログイン後、ブラウザから表示されるセットアップ画面(ダッシュボード)に沿って、DMRホットスポットとしての詳細設定を行います。

① 基本情報の入力(Configuration → General Configuration)

このセクションでは、あなたのコールサインやDMR ID、運用場所などの情報を入力します。

項目内容例解説
CallsignJJ2YYK(あなたのコールサイン)あなたのアマチュア無線局のコールサインです。
DMR ID4401505(radioid.netで取得済み)あなたのDMR IDです。まだ取得していない場合は、radioid.net などで事前に取得してください。
Frequency438.710 MHz(ホットスポットの使用周波数)ホットスポットがDMR無線機と通信する周波数です。UHF帯の空いている周波数を選びましょう。
CityOwariasahiお住まいの市区町村名です。
CountryJapan国名です。
GridPM84mq(グリッドロケーター)あなたの運用場所のグリッドロケーターです。日本アマチュア無線連盟のWebサイトなどで調べられます。

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② モード・モデムの選択(Configuration → MMDVMHost Configuration)

ホットスポットがどのデジタルモードで動作するか、そしてどのモデムを使用するかを設定します。

  • Mode: 「DMR」を「有効(Enabled)」に設定します。D-STARやFusionなど、他のモードを使う場合はそれらも有効にできます。
  • Modem Type: 使用しているMMDVMモデムの種類を選択します。
    • 例:「STM32-DVM / MMDVM_HS_Hat (GPIO)」など、あなたのモデムに合ったものを正確に選びます。この設定が間違っていると、モデムが正常に動作しません。
  • DMR Master: 接続したいDMRネットワークのサーバーを選択します。BrandMeisterが最も一般的で、通常は「BM_Japan」や「BM_Worldwide」などを選択します。

📈 Step 5:動作確認

すべての設定が完了したら、ホットスポットが正しく動作しているかを確認しましょう。

Pi-Star/WPSDのダッシュボード(ステータスページ)で、次の点をチェックします。

  • Modem Status: 緑色になっているか確認します。緑色ならモデムが正常に動作しています。
  • DMR Network: 接続先ネットワーク(BrandMeisterなど)への接続が「Connected」になっているか確認します。
  • TX/RX Logs: 無線機からホットスポットへ送信してみて、ログにあなたのDMR IDや送信情報が表示されるか確認します。

📡 テスト交信!

最も確実な動作確認は、DMR無線機からホットスポット経由で**TG9990(EchoTest)**に送信してみることです。このトークグループは、あなたが送信した音声をそのままホットスポット経由で返送してくれるテスト用のTGです。

  • DMR無線機のコードプラグに、ホットスポットと同じ周波数、タイムスロット、カラーコードで「TG9990」のチャンネルを設定します。
  • 【設定例】:
チャネル名周波数TGTSCC
Echo Test438.710 MHz999021

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(ホットスポットの設定に合わせてください)
  • このチャンネルでPTTボタンを押し、何か話してみてください。
  • 数秒後にあなたの音声が返ってくれば、ホットスポットと無線機、そしてネットワークが全て正しく動作している証拠です! 🎉

🧩 よくある初期トラブルと対処法

初めてのホットスポット構築では、いくつかトラブルに遭遇することもありますが、基本的な対処法を知っていれば大丈夫です。

現象原因・対処
Web画面にアクセスできないWi-Fi設定のミス: wpa_supplicant.confのSSIDやパスワードが間違っていないか再確認。<br>• microSDカードの書き込み不良: SDカードをフォーマットし直し、再度OSイメージを書き込んでみる。<br>• 電源供給不足: Raspberry Piに十分な電力が供給されているか確認(特にPi 3B+やPi 4)。
モデムが動作しない(Modem Statusが赤)モデム設定の誤り: 「Modem Type」が使用しているモデムに合っているか確認。<br>• GPIO接触不良: モデムがRaspberry PiのGPIOピンにしっかり差し込まれているか確認。<br>• モデムの故障: 別のモデムを試すか、モデム自体の不具合を疑う。
DMRネットワークに繋がらないDMR ID未登録/未アクティブ: radioid.netなどでDMR IDが有効になっているか、BrandMeisterなどのネットワークに登録されているか確認。<br>• サーバー指定ミス: 「DMR Master」の設定が正しいか確認。また、選択したサーバーが一時的にダウンしている可能性も考慮する。
無線機からの送信がログに表示されない無線機側の設定ミス: 無線機のチャンネル設定(周波数、TG、TS、CC、DMR ID)がホットスポットと完全に一致しているか再確認。特にカラーコードとタイムスロットの不一致が多いです。

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🎯 まとめ

Echo Testとログで確実に接続確認をしましょう!

初回はwpa_supplicant.confの準備を忘れずに!

Pi-Star/WPSDはRaspberry Pi + MMDVMで動くホットスポット専用OSです。

設定はWebブラウザから**GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)**で簡単操作できます。